もえどころ。

日々拾い集めた萌えをぽつぽつと。

炎経つ

 

1ヶ月も書かずに何してたんだよ。

 
すみません。本当に、書く書く詐欺してました。
見れば最後に私が観劇したのは8月の24日との事で…1ヶ月以上放置してたんか!と自分に呆れています。
いろいろあ、あってな…平安神宮とかハワイライビュとか、もろもろもろもろあってな……ってのはまぁ言い訳なのでおとなしく書き始めますね。
 
 
 
 
私が行ったのは全部で三公演、8月9日,8月22日,8月24日の三日間だったのですが、やはりみなさんが言う通り一日一日成長している…というか「イエヒラを自分のものにしている」のが手に取るように分かって、三宅さんはやっぱり憑依型の役者さんだなぁ、と。
 
少しずつ、でも着実に、自分の台詞一つに、動きや視線一つに、自信をつけて来ていたと言うか。溶け込んで混ざり合って"三宅健"が"イエヒラ"に変わって行ったと言うか。
うまく言葉には出来ないけれどそんな感じ。
 
 
イエヒラの台詞を聞いていると、言葉の端々に母への愛情、愛情故の歪み、嫉妬、弱さ、強さが見え隠れしていたんだけど「さあ急げ母上。」という台詞は、聞くたびに声色や表情が全く違って。多分あれ、探っていたんだろうなぁ…彼の中の正解、公演が終わるまでに見つかったのかなぁ。
 
母が自害した時に「なぜ母上までもが…っ!」って言う台詞があって、その時の健ちゃんの表情がすごく印象に残っている。
ほんとうに、あの瞬間の健ちゃんは紛れもなく"イエヒラ"だったと言うか。
信じがたい、信じたくない。なぜ、なぜ…ってどこか理不尽な現実を突きつけられた子供のような、兄への嫉妬心?をさらに燃え上がらせる弟のような、いろんな顔を持っていたけれどそのどれもが"イエヒラ"だったと言うか。
 
そして一番成長を感じたのは殺陣の部分。
パンフレットに書いてあった「言葉だけで背景を描く」部分。本当に回を重ねるごとに無駄が削ぎ落とされて、シンプルにかつ、力強く戦う彼らが見えました。
 
あと、兵糧攻め後の「願いを聞いてくれ。生きたままキヨヒラの元へ連れ出すのだけはやめてくれ…っ!」という台詞。
すごく痛くて、目を背けたくて、でも目が離せなかった。あんなにも野心に溢れていた男の口から出るその台詞、どれだけつらいものかと感情移入してしまい、思わず顔をしかめてしまうようなところも…。
 
 
母への愛情と、兄への嫉妬心、自分への小さなコンプレックス?禍々しい感情、全てが報われることは無かったのかなぁ。
「俺はなぜ戦っている…っ怖いからか、俺は…今、ものすごく怖い。怖いから戦うのか…?俺は…俺はぁ……誰だ…俺はなぜ生まれた…俺は…なぜ生きた…?…俺は、なんだったんだ」
という台詞、結局その答えは彼は見つけることができたのかなぁ。
 
 
 
また、後半に見ると見え方が変わっていたのかもしれないけれど、全公演を通したうちの前半日しか行けなかった私の目には、おちゃらけた笑顔の可愛いみんなのアイドル"三宅健"では無く、悲しみそして憎しみを全身に纏い兄を許せぬまま生涯を終えた"イエヒラ"が見えました。
彼の熱い炎は、アラハバキに預けた血の熱さの、きっと何倍も何十倍も熱くて。
視線が、それを物語っていました。
 
回を重ねるごとにメリハリがついて、感情の繋ぎ目が滑らかになって。
アラハバキに魂を預ける前と預けた後、兵糧攻めをされてから、どれを取っても全て"そうであった"ように見えて。
 
なんと言うか、新しい彼の一面を見た気がしました。
 
 
その期間に収録したであろうラヂオやテレビ映像なんかを聞いたり見たりしていると、他の仕事との兼ね合いで忙しさもあってどんどん体は小さく細くなっていくわ、声は掠れていくわ、チラチラと見える首元が痛々しいわで心配ではあったのだけど、でも目はギラリと光って纏うオーラは力強くなって行っていて「あぁ、大丈夫だ。潰れはしない」と言う謎の確信を胸に抱いていました。
 
 
そして最後、千秋楽を迎え、にこ健に「この作品に関われて良かった」と書いてあってすごく嬉しかった。
 
きっと、絶対、何一つ無駄なことは無かった。
 
セリフや息づかいを模索していた前半も、少しずつ柔軟にそしてさらに力強い炎を立て始めたと言われていた中盤も、よくやく報われた気がしたと言われていた後半も。何一つ無駄じゃなかったし、きっと彼の"三宅健"の中でいつまでもあの炎は燃え続けるんだろうな、って。
 
愛之助さん始め、カンパニー皆さんからも「素敵だった」「また一緒に作品を作りたい」等々言われていて。うんうんと頷きました。良かった、ほんとうに良かった。
 
 
 
長くなりましたが、V6メンバーの舞台を見に行ったのはこれが初めて。
ほんとうに良い経験をさせていただきました。
 
三宅さんや愛之助さんを初めとするカンパニーの皆さんに出会えて良かった。「炎立つ」に出会えて本当に良かった。
きっと私の心の中にも、いつまでもあの炎は燃え続けるんだろうなぁ。
 
本当に、とってもとっても素敵な作品でした。
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 
次はON THE TOWN やで!!!